鬱と現 (うつとうつつ)
2021年 今の世の中で、症状に差はあるにせよ、憂鬱を感じている人々は多いのではないでしょうか？
しかし、鬱とは、自分の症状が軽かったのか重かったのかは分からないけれど、想像以上に苦しいもでした。憂鬱といったら、ロマンティックに感じてしまう程に。
自分が感じたものは、自分が自分でなくなっていくような、別のものになっていくような、そんな印象でした。別のものと言うか、ものなのかどうなのかさえも分からない状況だった気がします。
源氏物語に出てくるような悪霊に取り憑かれてお祓いをして、それでも亡くなってしまったり、または、カフカの「変身」の話も、これらは精神の病なのだと、鬱のような状況もあったのだろうと、自分の中で具体的に感じました。
しかし、今現在、これを治療できる薬があることがすごい。こんなにも複雑な感情や精神なのに、ストレスのかかったそれらを安定させ、正常にあるべき姿、状況に戻していける薬があることに驚きました。また、自律神経とは、まだまだ全く未知の領域なのだなと感じました。
しかし、伝えたいことは、これらは、治っていくということ。
月単位、年単位の長い時間をかけて治っていくのだということ。
人間は基本、生きるために生命を行っていることを実感しました。生きようとしている。正常に生きようとしているのだと感じました。
正常に生きるとは、どういうことなのだろう？
人間らしく生きるとは、どういうことなのだろう？
皮を1枚かぶっているような人もいるし、魂のレベルみたいなものが、人によって異なっているのだろうと感じました。
そして、人々は関わりを持って生きていかなければならない。関わりを持つことが生きることなのかもしれない。
育てていかなければいけないのは、魂で、それに気付いている人、気付いていない人、と、そんな人達が、関わりの中で生きている。関わるべきして、または、関わりを選んで生きている。
人はみんな幸せになるために生まれてきていると信じたい。幸せになるために、この関わりの中で、関わる人達に出逢っていくのだろうと思います。
今回、自分の力だけでは、本当に戻ってこれなかったと実感しています。沢山の人に助けてもらいました。そんな中で、ずっと一緒に寄り添ってくれたパートナーに本当に感謝したい。どうもありがとう。本当にありがとう、と、伝えたい。
みんなみんなが、幸せになっていくことを願い、そんな人達が集まって、人が人らしく生きていくことを願います。
鬱がくれたものは、苦しみだけではなく、自分としての道の修正、本当に生きるということの自分としての実感。
そして、他者との関わりの中にある世界、自分の世界、幸せというものの根本的な位置づけ。
今、紛れもなく生きているという体感と実感。
鬱と現は、お互い背を向けている印象だが、とてもとても近く、すぐ真裏に存在しているように思います。脳と繋がる神経を柱に、裏と表に鬱と現が存在しているように感じます。正常は異常で、異常は正常な出来事なのかもしれません。
多くの方々の心の平穏を願って、平和な日々を願って、皆が幸せでありますように。
今回の自律神経失調症、パニック障害、鬱が与えてくれた事柄をきっかけにして、これからも、日々、考えたり感じたりしていくのだろうと思います。
それは、自分に与えられた、人生を生きていく中での新しい豊かさであり、深さなのであると感じます。これらのことも大切に育て、表裏一体の世の中を生きていきたい。
静かに自分の本当の声に耳を傾けながら、それでも情熱を持って行動したり、ゆっくりと一歩ずつ、確かな自分の道を歩んでいけますように。
きっと、あと1年ほどをかけて薬もやめていけるのだと思います。
季節の中で。。。ひとまずの 完 にします。
ありがとうございました。